吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
最初に、NHK経営委員長に伺います。
NHKの経営委員である百田氏の度重なる問題発言をめぐっては、今日もそうですけれども、私も含め当委員会で繰り返しただしてきた問題です。
浜田経営委員長は、当委員会で今年二月十九日に、経営委員としての職務以外の場での個人の思想信条に基づく行動については、それ自体は妨げられない認識としておりますが、公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するとともに、一定の節度を持って行動していくことを改めて申し合わせましたと、本日も何度もおっしゃっていますけれども、述べておられます。
ところが、今回の百田経営委員の発言、とりわけ国会運営についての事実に反する発言については、思想信条とは関わりなく、本人も同意しているはずの公共放送の使命と社会的責任を深く自覚するという先ほどの申合せに照らしても、見過ごすことはできません。個々の経営委員の任命は政府が行うわけですけれども、経営委員になった以上は、法と内規に定められた経営委員会の任務を適切に果たしていく自覚的責任が求められます。
経営委員会としては、この国会運営についての事実に反する発言についてどのような対応を検討されているのか。この間、意見交換だとか、そういうこともありましたけれども、やはり経営委員会としてしっかりと自浄能力を発揮するべきではないかと考えますが、見解をお教えください。
参考人 浜田健一郎君
これらの発言については、御自身の自覚と責任において自律的な判断で行っていただくべきものというふうに考えております。しかしながら、経営委員会としては、意見交換の場を設けるなど、努力を引き続き行ってまいります。
吉良よし子君
先ほど来と同じ答弁なわけですけれども、自律的判断でとおっしゃいますけど、その判断ができていないのではないかということで今回問題になっているわけなんです。
何度も、数回にわたって注意を受けてもこのような問題となる言動を繰り返す経営委員がこのまま職務に当たるということは、NHKの更なる信用失墜となりかねないと私は思うわけです。ですので、是非とも経営委員会としてしっかりと自浄能力を発揮していただきたいと思いますし、また、経営委員というのは国会同意を求めて政府が任命するものです。度重なる注意にもかかわらず問題発言を繰り返すような人物を経営委員として選んだ政府の責任は免れない、このこともここで厳しく指摘をしておきます。
では次に、今日は参議院で審議入りしている地方創生に関わって、いわゆる平成の大合併について取り上げます。
総務省は、平成の大合併のような全国的な合併推進に一区切りを付け、これからの基礎自治体について、三大都市圏や条件不利地域を除き、定住自立圏構想や地方中枢拠点都市圏構想を推進していくこととしています。
ところが、その定住自立圏構想については、今年六月の行政事業レビューにおいて、定住自立圏構想に取り組まない自治体の方が多い、自治体のニーズがないのではないかなどの厳しい意見が付され、抜本的な改善が求められています。
こうした意見も出される中で、定住自立圏構想の基本コンセプトである集約とネットワークをベースとする地方中枢拠点都市圏構想で本当に地域を元気にし、住民に行政サービスを提供し続けていけるのか、私は疑問です。
そこで、まず大臣に伺いたいと思います。
島根県海士町や徳島県神山町、上勝町、高知県馬路村など、平成の大合併では合併を選択せずに独自の取組や産業を発展させることで頑張っている自治体が全国にはあります。そうした自治体がどうして頑張ってこられたと思いますか。
国務大臣 高市早苗君
平成の大合併のときに、人口一万人未満の市町村数四百八十のうちで、合併を行ったところが三十九、合併を行っていないところが四百四十一、今委員が例に挙げられましたような神山町のように、小さな市町村だけれども地域の活性化に頑張っておられるところがあるかと思います。こういったところは、やはり独自の創意工夫によって、そしてまた、使えるツールを、特に神山町の場合はICTをしっかりと活用して働く場所をつくる、そして人を呼び込んでいく、移動させてくると、こういったことに果敢に取り組んでこられたと、そういうことだと思います。
小規模な市町村も含めまして、やはりこれから基礎自治体としてまず持続可能な形で行政サービスを提供できる、あと、単独での活性化に加えまして、やはり近隣市町村や都道府県と有機的な連携をしていただく、そのための取組、これも大変重要だと思います。
吉良よし子君
いろいろ述べていただきましたけれども、二〇〇八年に、全国町村会が「「平成の合併」をめぐる実態と評価」というものを発表しています。そこでは、合併を選択しなかった自治体関係者から、合併協議を経て住民が地域のことを考えるようになった。農道や集落道などの小規模補修には住民が積極的に参加するなど住民自治の醸成が図られている。今後は住民による地域づくり活動を積極的に支援するなど行政と住民の協働を進めていきたい。単独で行くことを決めてから住民からの様々な意見も影響して職員のやる気が変わってきている。一人一人の一生懸命やるという意識が高まってきたなどの声が紹介され、これらの自治体では、地域に対する愛着、責任感の共有、身の丈に合った地域経営、手触り感のある範囲といった、これからの地方自治の可能性が展望できるとしています。
このような、合併を選択せずに頑張っている自治体に共通しているのは、地域のことは地域で決める、住民自治の力を発揮して、地域の特性を生かしながら住民の暮らしを守り、元気のある自治体づくりを進めていることだと考えます。私は、ここに地域の再生、活性化や、これからの自治体の在り方のヒントがあるのではないかと思いますが、大臣、こうして住民が自治の力を発揮する地方自治こそ地域の活力の源であるとは思いませんか。
国務大臣 高市早苗君
まさにそのとおりだと思います。
住民が、一番地元のことをよく知っていらっしゃる方々が主体者として頑張っていかれる、これが最も大切なことだと思います。
吉良よし子君
では、ここで総務省に伺います。
この間の平成の大合併について、どのように総括していますか。お願いします。
政府参考人 佐々木敦朗君
総務省が、平成二十二年三月に「「平成の合併」について」というものを公表いたしております。その中で、平成の合併の評価といたしまして、合併による主な効果を四点、主な問題点、課題を四点、それぞれ掲げております。
主な効果につきましては、一つ、専門職員の配置など住民サービスの提供体制の充実強化、二つとして、少子高齢化への対応、三つとして、広域的な町づくり、四つとして、適正な職員の配置や公共施設の統廃合など行財政の効率化、こういったことが挙げられております。
一方で、主な問題点、課題につきましては、一つに、合併により面積が大きくなった市町村において周辺部の旧市町村の活力が失われているとの指摘、二つに、合併により市町村の規模が大きくなることによって住民の声が届きにくくなっているとの指摘、三つとして、厳しい地方財政の状況を踏まえ、住民サービスが低下したという評価、四つ目として、旧市町村地域の伝統文化、歴史的な地名などが失われてしまうという課題、こういったものが挙げられているといったところでございます。
 また、今後の合併に対する考え方といたしまして、平成十一年以来の全国的な合併推進については平成二十二年三月末で一区切りとしているところでございます。
吉良よし子君
効果、そして課題というか問題点というのを四つずつ挙げていただきましたけれども、私は、やはりこの平成の大合併は、行財政の効率化というものの陰で様々な周辺部の旧市町村の活力喪失、住民の声が届きにくくなる、旧市町村地域の伝統文化、歴史的な地名などの喪失という地域にとって取り返しの付かない損失をもたらしたと考えます。
その典型的な例として、静岡県浜松市の例を紹介いたします。
二〇〇五年七月、周辺十一市町村と旧浜松市が合併し、長野県境から太平洋岸までを市域とする一千五百平方キロの広大な現浜松市ができました。その結果、長野県境に近い北部の市町村を中心とした天竜区では、二〇〇七年度と二〇一三年度とを比較してマイナス六・三%、二千人を超える人が転出してしまっております。例えば、天竜区内の旧春野町、旧水窪町、旧天竜市に近接していた旧龍山村というところでは、合併から約十年たった二〇一四年四月時点で三〇%もの人口が減ってしまいました。
なぜこのようなことが起きたのか。それは、浜松市が進めた行財政改革によって、合併直後からこの地域で小学校の統廃合、路線バスなどの大幅な見直しが行われたからです。さらに、村役場がなくなって支所となることによって職員も減りました。そして、これまであった自治体からの建設工事や物品サービスの仕事の発注というものもなくなってしまったと。まさに行財政の効率化という名によって、その地域の活力自身が衰退し、人口減少に拍車が掛かるという悪循環が起きたのです。これこそ、合併によって地域が壊されてきたという歴史の事実だとは思いませんか。大臣、いかがでしょうか。
国務大臣 高市早苗君
この合併によっては、メリットがあったところもあり、また、今委員が御指摘されたようなことも含めて、デメリットが出ているところもございます。私自身も選挙区から選ばれている議員の一人であります。地元でもかなり激しい合併の賛否を問う村長選挙が当時あちらこちらで行われたのを覚えています。
うまく規模のメリットにはまったところもあれば、むしろ身近な行政サービスが受けにくくなった、それからまた、その村ごとに議会があったんですけれども、それもなくなり、非常にその中心の市役所まで遠くなったことによって不便が生じている、そういった例も実際には出てきておりますけれども、総務省としては、地域審議会、それから地域自治区といった仕組みを創設したということ、それから、これらを活用していただくとともに、旧市町村役場を総合支所や分庁舎として配置する、こういったことで合併後の合併市町村の一体的な振興、周辺地域の活性化に取り組んでいるところです。
その意味で、ちょっと委員が冒頭にどんなもんやろかと考えておられたプロジェクト、集落ネットワーク圏ですとか定住自立圏というものがございます。これらも、旧小学校区ですとか、合併前の旧村の単位、特に集落ネットワーク圏というものはそういった単位、ここでしっかりと生活の基盤を整えていく。また、定住自立圏も今御利用が増えてきておりますね。手を挙げようとしている、周辺とネットワークを組んでビジネスも起こしながら生活基盤をきっちりと確保していこう、そういう動きが出てきていると今考えております。
吉良よし子君
集約というお話がありましたけれども、私が今お話ししているのは、集約をしていくのでは問題ではないかというお話なんですね。
先ほど来申し上げておりますけれども、人口が減少するだけではないんです。この間、十一月五日の衆院地方創生特別委員会で、石破大臣も我が党の議員の質問に対して、合併していないところほど元気じゃないかということで、そういうところもあると。合併しちゃったところは、もう村役場もなくなっちゃいました、村長もいなくなりました、どこで何が起こっているか分からないという話が起こっているとお答えになっています。どこで何が起こっているか分からないというのは、役場がなくなったからだけではなくて、その地域の代表を議会に送り出すことができないという問題も出ている。地方自治や民主主義にとってまさにゆゆしき事態も生まれていると考えるんです。
実際、私、昨年、倫選特の委員会で、合併と同時に議員定数削減が行われる中で、郡部から地域代表が選出できない状況が生じているということを取り上げたわけなんですけれども、先日の衆議院の地方創生特別委員会でも、こうした周辺部の代表者が、選ばれないだけじゃなくて、選挙に出る人自体がいなくなっているという指摘もなされ、石破大臣も、あちらこちらで無投票というのが起こるようになりましたと、それだけ多くの票を取るのが困難になってきたのかもしれないと述べられているわけなんです。
ですから、集約というわけではなくて、やはり地域の活力の源である地方自治、疲弊させないということは大きな大事な仕事だと思うわけなんですけれども、そうした住民の声をきちんと吸い上げる、それを市政などに反映させる制度の整備などを国として、集約ではなく、そうした支援を進めるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
国務大臣 高市早苗君
集約も必要だと思います。ネットワーク化、ここをしっかりと利用していくことも必要だと思います。
議員の選挙につきましては、これは期限を区切ってですけれども、合併による議員数の減少に対して、定数特例もあり、また在任特例も設けていたところであります。そんな中でも、とにかく自分の元々のふるさとの地域を元気にしようと、代弁者であり続けようということで、合併後の非常に大きくなった地域でも、今までの自分の地元から離れて活発に活動し、幅広い見識を持ちながら活動されている議員もいらっしゃいます。
とにかく、地域の住民の皆様の意思で代表者を送り出していただきたいと思いますし、また、地域の皆様の工夫で地域を元気にする、そのための取組を私たちは応援してまいりたいと思っております。
吉良よし子君
本当に各地域で頑張れるような体制というのをやはりつくっていかなければならないという問題意識を私は持っているわけですね。
だから、やっぱり集約というところに持っていくのではなくて、各地域で、その場で頑張れる、その場の声をちゃんと届けるようにする、そういうシステムをつくらなくてはならないと私は思いますし、先ほど特例という話もありましたけれども、合併した自治体に地方交付税を上乗せする、その特例の対象というのは五百九十自治体ございますが、そのほとんどが二〇一五年度までにその財政の特例の期限を迎えることになっております。
こうした合併自治体における様々な苦難を国の財政措置によって一層深刻なものにしてはならないと考えます。その特例措置の終了に伴う財政的な対策というのは急いで講じるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
国務大臣 高市早苗君
まず、合併特例債につきましては、平成二十四年の法改正によりまして、被災地の合併市町村については合併後二十年度まで、被災地以外の合併市町村については合併後十五年度まで発行可能期間を延長したところであります。また、合併算定替えの特例期間終了後の普通交付税の算定につきましては、これで、平成の合併によって市町村の姿が大きく変化したことを踏まえまして、合併後の市町村の財政需要を的確に把握して、平成二十六年度以降五年程度の期間を掛けて普通交付税の算定に反映するということにしております。
具体的には、平成二十六年度においては、この支所に要する経費ですね、これを先行的に算定しました。平成二十七年度以降は、人口密度などによる需要の割増しとか、あと標準団体の面積を見直して単位費用に反映する、こういった点についても順次交付税算定に反映することとしております。現在、具体的な検討を行っているところです。
吉良よし子君
検討を行っているということですけれども、合併を経験した三百八市で組織する合併算定替え終了に伴う財政対策連絡協議会というところも、総務省に対して、特例の期限が切れることを憂慮して、合併市の実情を十分把握して実態に応じた算定を行うようにと求めたという報道もありますし、更なる声をよく聞いて、算定の見直しなど対策を進めていってほしいと思います。
しかも、そもそも平成の大合併については、国による財政上のあめとむちによる誘導があったという点については、多くの自治体関係者、とりわけ合併を選択しなかった自治体関係者から、自治体の民主主義の否定、自治権の侵害として強い批判の声があるというのも事実なんです。
九九年の地方分権一括法の成立、その一環としての市町村合併特例法が改正されて以降、国による市町村合併の推進が本格化しました。政府は、合併特例債や合併算定替えといったあめをちらつかせながら、二〇〇五年三月という期限を押し付けてむちで合併を押し付けてきた。そして、それ以上に財政を圧迫したのが二〇〇四年の三位一体の改革です。地方交付税の大幅な削減によって合併に追いやられたという自治体も少なくないわけです。
合併を選択しなかったところでも財政難に直面されているわけですから、やはり地方交付税、自治体が行う住民へのサービス提供を保障するための財源保障というのは国の責任だと思うんです。規模の小さい自治体ほど財政に占める交付税の比重が高くなっているわけですから、地方交付税、増額して交付税の機能を十分に発揮させるべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
国務大臣 高市早苗君
中期財政計画におきまして、地方の一般財源の総額は、平成二十六年度及び平成二十七年度において、平成二十五年度地方財政計画の水準を下回らないように実質的に同水準を確保するということ、あと、歳入面、歳出面における改革を進めること、この方針が中期財政計画で定められております。
この方針を踏まえまして、地方の安定的な財政運営に必要となる地方交付税を含む地方の一般財源総額については、平成二十六年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保してまいります。
吉良よし子君
下回らないんじゃなくて、増額の方向で是非進めていただきたいということを申し上げ、質問を終わります。