吉良よし子君
日本共産党、吉良よし子です。
今、政府は盛んに女性が活躍しやすい社会を目指すと言い、去る十日にはすべての女性が輝く政策パッケージを発表しました。その第一の柱、「安心して妊娠・出産・子育て・介護をしたい」の第一、切れ目のない妊娠・出産支援の強化には、地方自治体が、その地域の実情に即して、結婚・妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援の先駆的取組を行うことを支援すると述べられています。
総務大臣もその立場だと考えますが、政府の政策の対象は全ての女性です。であれば、総務省、自治体が忘れてはならないのは、まず自分の足下、自治体で働く地方公務員の問題だと思います。とりわけ、女性労働者の多くが非正規労働者であることを考えれば、その労働条件の改善は欠かせません。
そこで、総務省に伺います。地方公務員は全体で何人おり、臨時・非常勤の職員はそれぞれ何人いるか、そのうち女性の占める割合はどれだけか、お答えください。
政府参考人 丸山淑夫君
地方公務員の常勤職員、いわゆる正規職員の人数、女性の割合についてでございますが、総務省が平成二十五年四月一日時点で行った調査によりますと、人数が約二百七十五万六千人、うち女性の割合は三八・四%となってございます。
一方、臨時・非常勤職員につきましては、総務省が平成二十四年四月一日時点で行った調査によりますと、人数が約六十万四千人で、うち女性の割合は約七四・二%となってございます。
吉良よし子君
済みません、特別職非常勤職員、一般職非常勤職員、臨時的任用職員、それぞれの人数と女性の割合もお答えください。
政府参考人 丸山淑夫君
任用根拠ごとの内訳について申し上げます。
特別職非常勤職員は約二十三万一千人で、うち女性の割合は約六三・四%、一般職非常勤職員が約十二万七千人で、うち女性の割合は約八〇・七%、臨時的任用職員が約二十四万五千人で、うち女性の割合は約八一・〇%となっております。
吉良よし子君
自治体が行う公務の二割が非常勤・臨時職員によって担われているというお話でした。しかも、そのうちの七四・二%が女性によって占められているとのことです。
この臨時・非常勤職員の多くが不安定かつ賃金が低いなど劣悪な労働条件の下に置かれている。当然保障されるべき権利さえ保障されていない実態があることは問題です。
今日は、その中でも産休、育休の問題について取り上げます。
まずは産休の問題です。
総務省に確認をいたします。産前産後休業は、民間労働者でも公務員でも、正規、非正規にかかわりなく保障されるべきものであり、申請があれば必ず与えなければならないものだと思いますが、どうでしょうか。
政府参考人 丸山淑夫君
産前産後休暇につきましては、労働基準法上、正規、非正規にかかわらず認められるものでございます。
吉良よし子君
認められるとありました。
しかし、実態はどうなっているか。ある自治体では、公立学校で働く臨時教員の女性が産休を取りたいと申し出たところ、上司から、代替の派遣が認められない、だから生徒のために辞めてほしいと言われたそうです。ほかの多くの自治体でも、臨時・非常勤職員には産休の代替の派遣を認めていないという現状があり、それを理由に産休を諦める、仕事を辞める、あるいは仕事を続けるために子供を持つことそのものも諦めてしまうような臨時・非常勤の女性が数多くいるわけです。
ちなみに、こういう事態は決して新しい問題ではありません。先ほどの臨時教員のいる自治体では、既に八〇年代から同じように臨時任用の女性が産休を取れず、任用を取り消されそうになったという事例があります。八〇年代といえば、勤労婦人福祉法が抜本的に改正され、男女雇用機会均等法と名前を変えて制定された頃です。その三十年前当時と同じ問題が今も現存しているということは深刻な事態なのではないでしょうか。
大臣、法律で権利はあると書かれているのに、それが行使できない。四十万人近くいる臨時・非常勤公務員の女性たちがこのような状況に置かれていては、全ての女性が輝く社会は実現しません。少子化だって進行するのではないでしょうか。正規、非正規関係なく、法律どおりに産休取得が可能になるよう代替派遣の保障、財政的な面も含めて各自治体がちゃんと対応できるよう国として指導、援助するべきではないでしょうか。
国務大臣 高市早苗君
産前産後休暇ですね、これは先ほど答弁がありましたが、労働基準法上、正規、非正規にかかわらず認められるものですから、この旨は地方公共団体に対しまして通知をしまして、様々な機会を捉えて周知をしてきたところでございます。
委員おっしゃるとおり、法制上認められた権利というものがきちっと行使できる、そういう公正な国にしたい、公正な社会にしたい、これも私の所信的発言で申し上げたところでございます。
吉良よし子君
通知はもちろん大事なことなんですけれども、是非とも実際に行使できるように具体的な措置、財政的な措置も含めて是非検討していただくよう強く求め、次に移ります。
出産した後には育児が始まります。既に民間労働者には育児・介護休業法があり、国家公務員と地方公務員にはそれぞれ国家公務員育児休業法、地方公務員育児休業法があり、男女を問わず育休取得が可能です。
ところが、今、わざわざこの法律で育児休業を取得できる対象者から外されている人たちがいます。それが国家公務員育児休業法及び地方公務員育児休業法で臨時的に任用された職員は除くとされた臨時的任用職員です。地方自治体の場合、さきに答えてもらったように、二十四万五千人、およそそのくらいの方が、極めて多くの人たちが育休の対象外とされています。余りにもそれは不公平だという声が今ずっと出されているということは総務省も御存じであるはずですし、国会でも度々問題視されてきました。
地方公務員育児休業法にこうした規定を置いているのは国の規定に倣っているとの説明もこの間聞いてまいりましたけれども、改めて、総務省、臨時的任用の職員をこの育休取得の条件から除外する理由は何か、お答えください。簡潔にお願いします。
政府参考人 丸山淑夫君
臨時的任用職員は、臨時、緊急のとき又は育児休業中の職員の業務を処理するために任用されるものであること、また、その期間は一年を超えて行うことができないとの制限が法律上明確に規定されてございます。
このように、臨時、緊急の必要がある場合等に一年以内の任期でその職務に従事してもらう必要があることから、地方公務員育児休業法上、国と同様に育児休業制度を適用しないこととしているところでございます。
吉良よし子君
では、ここで人事院に伺いたいと思います。
総務省は国の制度に倣っていると言っておりますが、国の場合はどうなのかと。非正規で、たとえその任期に一年などの限りがあったとしても、任用が繰り返され、数年にわたって同じ職場で働いている人に対しては育児休業を与えているのではないでしょうか。その条件をお示しください。
政府参考人 井上利君
お答えいたします。
一般職の国家公務員について、育児休業をすることができる非常勤職員は、育児休業の請求時におきまして、第一に、任命権者を同じくする官職に引き続き在職した期間が一年以上あること。第二に、子の一歳の誕生日以降も引き続き在職することが見込まれること。子の一歳の誕生日の前日から一年を経過する日までの間に任期が満了し、その任期が更新されないこと及び引き続き採用されないことが明らかである場合を除きます。それから、第三に、一週間の勤務日が三日以上等であることという、以上のいずれにも該当する者とされているところでございます。
吉良よし子君
では、引き続き人事院に伺います。
国家公務員育児休業法でも育児休業が与えられない、除外されている臨時職員というのは今現在何人いるのか、その任用理由ごとの人数をお答えください。
政府参考人 井上利君
お答えいたします。
平成二十五年度において、国家公務員法第六十条に基づき産前産後休暇の代替措置等として臨時的に任用された職員は二百五十六人であります。また、平成二十五年度において新たに育児休業した職員四千二百二十二人のうち、その主な代替措置として国家公務員の育児休業等に関する法律第七条に基づく臨時的任用がなされた職員は六百四十人でございます。
吉良よし子君
合わせて八百九十六人ということですが、改めて、では総務省に伺いたいと思います。
地方自治体のおよそ二十四万五千人の臨時職員のうち、こうした、先ほど国のような産休、育休代替として任用されている方というのは何人なのか、お答えください。
政府参考人 丸山淑夫君
総務省の平成二十四年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査によりますと、平成二十四年度中に新たに育児休業した職員の主な代替措置として臨時的任用がされた職員の数は二万三千八百四十三人でございます。
なお、産前産後休暇を取得した職員の代替措置としての臨時的任用については具体的に把握してございません。
吉良よし子君
具体的には把握していないということですけれども、国の言う臨時的任用の場合は基本的に育休や産休などの代替であり、しかも数も数百人程度であるのに比べて、地方の場合は、代替として任用されたのは、現在分かっている範囲でも二十四万五千人分の二万三千八百人程度でしかないと。
ちなみに、今回お配りしました資料が総務省の臨時・非常勤職員に関する調査からの資料ですけれども、そこにおいて、地方自治体、とりわけ市町村等ではどうかと。国と違って代替というのを臨時的任用の理由に挙げる団体数というのは多くなく、むしろ補助的・定型的業務への対応であったり、場合によっては人員コストの削減などのほかの理由を挙げる団体の割合の方が高いというのが大きな特徴であります。つまり、同じ臨時的任用といっても、国の言うそれと地方自治体、とりわけ市町村等における臨時的任用の活用理由が大きく違っているということです。なおかつ、地方自治体、とりわけ市町村等では、毎年任用が繰り返され数年にわたり同じ職場で働いている臨時的任用職員も数多くいるという実態もあります。
総務省、先ほどの調査で挙げられている市区町村等における臨時的任用職員の代表的な職種別の同一人の長期任用事例というのはどうなっていますか。
政府参考人 丸山淑夫君
総務省が平成二十四年四月一日時点で行った調査によりますと、長期にわたって繰り返し任用されている事例があると回答された団体数は、事務補助職員については四百六十二団体、看護師については二百十九団体、保育士については四百九団体、給食調理員については三百六十二団体、清掃作業員については百四団体、消費生活相談員については百七団体となっているところでございます。
なお、今申し上げました事例の中には、同一の団体内において部署を変えながら任用されている場合も含んでございます。
吉良よし子君
ありがとうございます。
先ほどの調査で言われている長期任用というのは、十年を超える任用だとされております。このように、限られた職種のみを総務省側が抽出しただけで十年以上再任用が繰り返されている実態というのが八百団体、延べですけれども、以上あるというわけで、それを見れば、十年を超えないまでも三年であるとか五年であるとか、数年にわたり同じ職場で働いてきた実績のある臨時的な任用職員というのは更に多数いるということも明らかだと思います。そして、その間に結婚、妊娠、出産などを経て育休取得が必要となる人が出てくることは十分に想定できます。こういう地方の臨時的任用職員の任用実態と今非常に似通っているのが国家公務員非常勤の場合なのではないでしょうか。一年を繰り返し再任用されている。
契約時点での任用期限ではなく、国家公務員の場合は、育児取得申請の時点でトータルしてどのくらいの期間その職場で働いていたかというこれまでの実績がまず第一の条件になっているんですが、一方で、地方の場合は、その過去の、これまでの同一の職場で働いていたという実績が全く考慮されていないと、このことが最大の問題です。
総務省としても、長期に働く臨時的任用職員の存在を先ほどのように把握しているわけですから、法律に機械的に当てはめて除外するのではなく、柔軟に育休取得できるようにしていくべきではないかと思います。何より臨時的任用職員というだけで最初から育休がないというようなのは余りにおかしな話ではないかと思うのですが、いかがでしょうか、大臣。
国務大臣 高市早苗君
そうですね、引き続き一年以上任用されているような場合には、非常勤の職員に関しても、これは非正規の地方公務員であっても育児休業の取得は認められているところでございます。育休そのものが、どなたが取られても一年、そして保育所が見付からないなどの場合に一年半でございますから、どうしても短期の場合はそうなります。
ただ、今委員御指摘のとおり、繰り返しずっと働いている、そういう実態があるということですので、これは私はやはりまず地方公共団体がその勤務の内容に応じた任用、勤務条件を確保できるように責任を持って適切に対応していただくべきものだと考えておりますので、総務省におきましてもしっかりと助言は行ってまいりたいと思っております。
吉良よし子君
まず任用の仕方の問題だというお話もありましたけれども、それは今現在臨時的任用の職員であって、今育休が取得したいという方に答える回答ではないと思うんです。
大臣は、非常勤職員の場合はそれでも育休取得ができるようにするとおっしゃっているわけですから、であれば、臨時的任用という名前であったとしても、非常勤と同じようないわゆる働かされ方というか活用理由で働いている場合であれば、柔軟に現場で対応できるように、法律だからといって除外するのではなく、そういう対応が今求められていると思うわけなんです。
今年、三月三十一日の決算委員会でも、安倍首相自ら育休について、臨時の場合、想定されていない場合もあったのかもしれないが、女性が輝く社会をつくるために何ができるかを検討していきたいと答弁し、必要とされるなら検討すると言っているわけなんです。であれば、法律に書いてあるからとかたくなな対応を取ったり、若しくは任用替えで対応しろなんていう先の話ではなくて、まず現在、今必要な人が取れるように現場での法律の運用解釈を国の非常勤職員のような基準に合わせていくべきではないかと思うわけです。
政府が、女性が輝く社会を本気で進めようというのであれば、こういう場面での大臣の決断こそ今求められると思います。まず隗より始めよという言葉がありますし、大臣の前向きな決意を是非とも聞きたいのですが、いかがでしょうか。
国務大臣 高市早苗君
今すぐ地方公共団体ができることであると思っております。それはやる気があればできることであると思います。
吉良よし子君
やる気があればできるという御答弁でしたから、つまり、現場の中で育休取得ができるように柔軟な対応をしてもよいということだと私は捉えますが、それでよろしいでしょうか。
国務大臣 高市早苗君
法律に従ってちゃんとできることはできるわけでございます。その地方公共団体の、先ほども申し上げましたけれども、やっぱり勤務の内容に応じた任用、勤務条件をしっかり確保すると、その実態に応じた条件を確保するということは絶対に必要なことだと思います。
吉良よし子君
実態に応じた条件を確保するというお話でしたから、現場の実態に合わせた運用、解釈をしていただくことは是非進めていただきたいですし、同時に、やはり実態を無視した臨時的任用をされた職員をそもそも育休から除くという法律自体変えることが私は必要だと思っておりますし、是非とも男女共に働きやすい職場づくりを国そして地方が先導して進めていただくようにお願いして、私の質問を終わります。