吉良よし子君
総務委員会で初質問をいたします。日本共産党の吉良よし子です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、社会的に大きな課題となっている雇用と労働の問題について取り上げます。これは国と地方にとって重要な課題であり、政治の姿勢が問われる問題です。
先日の参議院本会議代表質問で安倍総理は、日本共産党の提出したブラック企業規制法案について、政府としては、若者の使い捨てが疑われる企業は社会的に大きな問題だと考えていると答弁しました。新藤総務大臣、大臣も総理と同じお考えですか。
国務大臣 新藤義孝君
これは、この間総理が御答弁させていただきましたとおり、若者の使い捨てが疑われる企業がもしあるならば、それは社会的な大きな問題だと、このように考えております。
吉良よし子君
大臣も同じという御答弁でした。
そこで、総務省が所管している統計の中に労働力調査があります。この速報値のうち、完全失業率及び十五歳から三十四歳の若年者の完全失業率と前月比での増減はどのようになっていますか。また、七月十二日に発表された平成二十四年度の就業構造基本調査における非正規雇用率も併せて総務省、お示しください。
政府参考人 須江雅彦君
お答え申し上げます。
直近の平成二十五年九月の労働力調査の結果によりますと、我が国の完全失業率は四・〇%となっております。また、お話しの十五歳から二十四歳、そして二十五歳から三十四歳の完全失業率はそれぞれ七・三%、四・八%となっております。それぞれの前月、八月からの変化幅についてでございますが、全体が〇・一ポイントの低下、十五歳から二十四歳では〇・三ポイントの上昇、二十五歳から三十四歳では〇・二ポイントの低下となっております。
そして、お話のございました平成二十四年十月実施の就業構造基本調査の結果によりますと、役員を除く雇用者全体に占める非正規職員の従業員の割合は三八・二%となっております。
吉良よし子君
今お示しいただいたように、とりわけ若年層での失業率が高いこと、そして不安定な非正規雇用が四割近くに増加している。この中で、今、最低でも正社員として働きたいと願う若者が増えています。その切実な願いを逆手に取って、今、日本中に広がっているのがブラック企業です。
私は、この間、様々なブラック企業の実態を伺ってまいりました。例えば、ワタミで働いていた二十代の青年は、売れ残った食材の買取りを強制されるなどの給料天引きにより手取りが月数万円だったこともあったそうです。秋田書店で働いていた女性は、過大なノルマで二十四時間机から離れられず、抗うつ剤をラムネのようにぼりぼりとかじりながら仕事をしたと話していました。ショップ99で名ばかり店長として四日で八十時間働かされていた方は、僕は燃料として燃え尽きるまで働かされたと訴えています。これは私が聞いた声のほんの一部です。今もツイッターなどで次々と切実な訴えが寄せられています。さらに、経営者の方からも、スタッフをごみのように扱っている企業が成功するなんてあり得ない、ブラック企業は根絶をとの声も伺っています。何より、日本の将来を支えるべき若者が長時間、低賃金で働かされ、心も体も壊している実態を放置していては、この国に未来はありません。
ここで、厚労省にお尋ねします。安倍総理は先日の参議院代表質問で、ブラック企業対策について、「相談体制、情報発信、監督指導等の対応策を強化する」とおっしゃっていましたが、労働者が雇用、労働に関して相談できる窓口にはどのようなものがあるでしょうか。また、国と連携してそうした相談に当たっている都道府県の窓口はありますか。
政府参考人 生田正之君
まず、国の窓口に関してお答えをいたします。
解雇だとかあるいは雇い止めなどの労働関係におけます個々の事業主、労働者の方の紛争につきましては、全国の労働局あるいは労働基準監督署など三百八十五か所に設けております総合労働相談コーナーにおきまして労働者の方からの相談をお受けいたしております。
この相談があった場合には、労働者の方からの申立てによりまして、労働局長によります助言、指導、あるいは紛争調整委員会によるあっせんなど、紛争解決のための支援を行っております。それから、中には労働基準法違反など労働関係法令違反もあるかと思いますので、そういった問題につきましては、労働基準監督署あるいはハローワーク、雇用均等室に直接つないで紛争の解決を図っているところでございます。
このほかに、都道府県の労政主管事務所でございますとか労働委員会がございますし、それ以外にも、法テラスあるいは労使団体等の窓口もあるかと承知しております。
厚生労働省といたしましても、案件に応じましてこういった窓口と十分連携を図って、必要に応じて紹介もいたしまして、問題の解決を図っていきたいというふうに考えております。
吉良よし子君
全国三百八十五か所の総合労働相談コーナーがワンストップサービスで行っているということは重要です。実際、ブラック企業が問題になる中で、今年に入ってから墨田区、町田市、さいたま市、名古屋市など五十七の地方議会でこのブラック企業又は若者の使い捨てが疑われる企業に関する意見書が採択され、相談窓口の設置、拡充を求めています。
そこで、私は今回、この労働者が頼りにしている相談窓口のうち、都道府県の業務である労政主管事務所について質問をします。
東京都の場合は労働情報センターというところがありますが、私は、ここで長年相談業務に当たってきた方のお話を伺ってまいりました。センターでは、都内六か所の常設窓口を置いているだけではなく、定期的に街頭労働相談を実施して、年間五万件を超える相談を受け、解決に向けたアドバイスを行っているそうです。
相談員の方によりますと、現場では電話が鳴りっ放し、人手があれば受けられる相談は五万件にとどまらず、もっとあるはずだとおっしゃっていました。また、労使双方を対象にした労働関係法の解説など多彩なセミナーも開催されていて、労働者だけではなく企業の関係者も積極的に受講しており、毎回定員がいっぱいになってしまうとのことでした。
このような積極的な取組は、東京だけではなく、神奈川、長野、大阪、福岡でも行われています。大臣、こうした都道府県における労政主管事務所の役割についてどのように思われますか。
国務大臣 新藤義孝君
私は、この個別の労働紛争解決システム、これはいろんな窓口があるわけです。国にせよ、県にせよ、それから裁判所も含めていろんなところにあります。大事なことは、どういうルートで相談が行っても同じように適切な処理が図られなければいけないという意味において、これは県には県のそういったセンター業務があって、それぞれお受けになられていると。関係機関が連携を取って総合的な運用ができるように心掛けることが重要ではないかと考えております。
吉良よし子君
関係機関連絡取って相互のということで、重要であるというような御答弁がありました。
しかし、私がこの問題を取り上げて調べていく中で分かったのが、こうした大切な役割を担ってきた都道府県の労政主管事務所の多くがこの間統廃合され、相談できる身近な窓口が減少してしまっているということです。
総務省にお聞きします。二〇〇五年から二〇一〇年の間に政府、総務省の主導で行われた集中改革プラン及び十八年指針の取組状況についての取りまとめが総務省から出されています。その報告の一つである都道府県における出先機関の見直しの報告において、目標内容若しくは実績の部分で、労政事務所、労働事務所、労働センターの統廃合に言及している都道府県は幾つありますか。数でお示しください。
政府参考人 門山泰明君
お答えいたします。
集中改革プランに基づきます地方公共団体の取組状況につきましては、五年間の取組期間中の毎年度フォローアップを実施するとされていたところでございますが、最終年度に当たります平成二十一年度分の調査で申し上げますと、労政事務所や労働センターなどに係る実績、言及いたしました都道府県は全部で十二ございます。このうち二件が新設又は機能強化、二件が廃止、八件が統合を行っているという状況でございます。
吉良よし子君
十二の都道府県の中で統廃合について言及されており、少なくとも二件、そして八件統廃合されているということでしたが、現実に相談窓口は減っております。私も資料を使って調べましたが、佐賀県では三か所あった労政事務所が県民への詳しい説明もなく全て廃止にされています。先ほど御紹介した比較的先進的な取組をしている長野県でも二〇〇九年に二か所の窓口が統合されて、その統合が行われた後の二年間で相談件数が八百件も落ち込んでいます。
大臣にお聞きします。こうした佐賀や長野での地方において労政事務所の統廃合が進んでしまったのは、かつての集中改革プランで国が地方自治体に対して「計画的かつ着実に出先機関の再編に取り組むこと」という号令を掛けた結果ではありませんか。
国務大臣 新藤義孝君
総務省におきましては、平成十七年度に行政改革を推進するための指針を定めて、そして地方公共団体に集中改革プランを策定するように要請をしたわけです。そこでは、都道府県の出先機関の見直し、こういったものも項目の一つになっておりました。それは、行政の役割ですとか行政機能を後退させるべしと、こういうことが意図ではなくて、人口減少社会の到来、それから厳しい財政状況、こういったものを踏まえた上で、合併の進展による市町村の行財政能力の拡充、それから都道府県におけるそもそも県内の人口の動向、こういったものも踏まえた計画的かつ着実な再編を取り組んでくださいと、こういう我々はお願いをしたわけであります。
この労働者の相談窓口については、確かに統廃合を進めていた団体とそれから新設、機能強化した団体がございます。それはそれぞれの地域の事情によります。また、ちょうどリーマン・ショックがありましたから、そういう厳しい社会情勢を踏まえた上での社会情勢の変化を勘案した結果に今のそういう再編があったんではないかと、このように考えております。
吉良よし子君
後退ではないというお話でしたけれども、実際にはこの長野県で、集中改革プランにおいて千五百名を超える職員削減計画が進められる中で、南信労政事務所の諏訪分室と飯田駐在所の二か所が本所に統合されました。それでも現場では、地域の労働相談のニーズにこたえようということで月二回の巡回の労働相談窓口を開設して対応したにもかかわらず、先ほど御紹介したように、相談件数は八百件も減少してしまったのが実情なんです。
おっしゃるように、集中改革プランとは合理化とおっしゃいますが、そうではなくて、やはり地方自治体での定員削減、二〇〇〇年から二〇〇四年の間のその実績である四・六%を上回る総定員数の削減を国が求めて、地方が具体化を迫られたものです。だからこそ、長野県では、その流れの中でこうした重要な窓口が失われてしまっている。まさに、国による集中改革プランの押し付けで地方の行政現場で働く皆さんの相談にこたえたいという思いが削られ、本来人手があれば聞けたはずの労働者や若者の声を取りこぼしてしまっているという事態が生まれているのではないでしょうか。
こういう事態を引き起こす集中改革プランを主導した総務省の責任は重いのではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
物事には二面性があるわけですね。これは、国を挙げて行財政改革を行おうと、そして自治体の運営の効率化、合理化を図らなければいけない、これは国全体の課題であったと思います。
一方で、行政サービスはあくまでいつまでも向上させたいわけです。仕事はどんどん増えていく、そしてどんどんサービス良くしてあげたい、だけれども経費については節減合理化を図らなければいけない、この二つのことを同時に進行させようとしているのが今の日本だと思います。
ですから、程度の問題であって、どの程度までどういうふうに統廃合していくか、それは自治体が最も適切な判断をしていただくしかないわけでありますし、そのようにそれぞれがお考えになられてやったんだと思います。 私は、先ほども申しましたけれども、個別の労働紛争をきちんと受け止められる、そういう仕組みを世の中でつくっておくことは重要だと思います。ですから、それは、国に行っても県に行ってもほかの場所に行っても結局のところ同じように対応ができると、こういうルールを確立し、かつそれぞれの機関が連携を取れるようにしておかなければいけないということだと思っております。
ですから、一面その客観的に、数が減りました、件数が減りました、だからそれも責任なんではないですかと御指摘されるのは、それは一面のそういったお考えもあるかもしれませんけれども、トータルとして我が国は行財政改革を進めつつサービスの向上を図ると、こういったことをずっと取り組んできているんだと思うし、委員もそこは御承知をいただきたいと思います。
吉良よし子君
確かにトータルで考えることも重要ですし、国の相談窓口があるということも重要ですが、おっしゃるとおり、都道府県におけるそういう独自の積極的な取組が重要なのはもちろんですし、それを後退させることを進めるようなことを国がやってはならないと私は考えているんです。
今年五月に、新藤総務大臣が、地方財政の改革に向けてという御報告を出されております。その報告では、地方交付税の算定基準に行革努力の取組が盛り込まれており、その指標イメージとして職員数などの人件費削減が挙げられています。これは今年六月の骨太の方針にも盛り込まれています。私は、この骨太の方針に基づいて地方交付税を道具にして行革努力をまたしても地方に押し付けるようなことがあれば、再び労政事務所を含めた地方の公共サービスが縮小されてしまうのではないかと大変危惧しているんです。
何より日本の経済の担い手は日本中で働いている一人一人の労働者です。そして、若者は未来の担い手です。この若者を始めとした労働者を切り捨てるような政治では日本経済は立ち行かなくなり、未来がなくなるのは明らかです。だからこそ、今後、国からの押し付けで地方の重要な機能を失わせるのではなくて、国でも地方でも政治がちゃんと責任を持って労働者や若者の権利、雇用を守っていく体制をしっかりとつくっていくことを強く求めまして、私からの質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。