吉良よし子君
日本共産党の吉良よし子です。
本法案、配偶者同行休業法案は、両立支援を一歩前進させる法案だと考えます。本日は、この法案に関連して、男性も女性も仕事と家庭を両立を可能とする支援制度の拡充を求め、質問をいたします。
男女共同参画社会基本法が制定されてから十四年、しかし、仕事と家庭の両立については、今も家庭の責任の大部分を女性が担っているという実態があり、男女共に個性と能力を発揮できる社会であるとはまだ言えません。今回の配偶者同行休業制度を含めた両立支援制度を男女共に現場で活用できるようにするためには、基本法第二条第二号にある積極的改善措置に踏み出していくことが重要と考えます。
そこで、現在既に実施されている両立支援策として育児休業、育児短時間勤務などがありますが、その活用状況について、人事院、報告してください。
政府参考人 井上利君
お答えいたします。
平成二十四年度に新たに育児休業を取得した一般職の常勤の国家公務員は三千八百九十四人、うち男性二百八十六人、女性三千六百八人で、前年度に比べ男性は四人増加、女性は百十二人減少となっております。育児休業の取得率は、男性三・七%、女性九六・五%となっており、前年度に比べ男性は横ばい、女性は〇・七ポイントの減少となっております。また、平成二十四年度に新たに育児短時間勤務をした一般職の常勤の国家公務員は三百九十人、うち男性十人、女性三百八十人で、前年度に比べ男性は横ばい、女性は七十三人増加となっております。
吉良よし子君
政府は、国家公務員の男性の育児休業取得率の成果目標を二〇二〇年までに全体として一三%としていますが、お示しいただいた状況では、育児休業取得率、男性三・七%ということで、程遠い状況と言わざるを得ません。
今年八月二十九日付けの朝日新聞の「男の育休、制度あっても…」と題する記事の中では、この育休が取りにくい職場の実態を二人の国家公務員が話されています。
一人は、二か月の育児休業を取ったと。本当は一年間取りたかったが、上司から、せいぜい一、二週間だろうと、何か月もいないのは困ると反対されました。休暇から復帰した後、短時間勤務をしたいと相談すると、男が時短なんてあり得ないと言われ、今も相変わらず残業続きだそうです。
もう一人は、双子が生まれると。もし認可保育園に入れなければ、妻が職場復帰した後、同時に自分が育休を取りたいと考えているが、職場は上司を除いて職員が二人しかおらず、人員補充されるか分からないと。その上、男で育休を取ると昇進に不利になるようだと上司に言われたこともあるそうで、実際、以前に一年間育児休業を取っていた職場の男性が、仕事ができる人だったにもかかわらず、復帰後数年間昇進が止まっていたという例もあることから、この話をされている方は育休取得の意思を上司に伝えるかどうか悩んでいるというそうです。
私は、こういうふうに制度を使いたいのに使わせないとか使えない状況、昇進にも影響しかねないという状況はあってはならないと考えますが、大臣はいかがでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
いろいろなケースがあって、もしそういうことがあるのならば、早速そこの職場は改善されるべきなんではないでしょうか。本人の意思があって、きちんと相談をすれば、それは制度としてあるわけですから、私は必ずその願いといいますか話合いはきちんと進むものと思っております。
吉良よし子君
是非、そういう職場の環境は改善するべきだと思いますし、実際、国家公務員育児休業法第十一条には、「職員は、育児休業を理由として、不利益な取扱いを受けない。」とあります。ですから、仕事も育児も生活もやりがいを持って充実した人生を歩めるように支えるということがこうした育休含め両立支援制度のあるべき姿のはずですから、積極的に制度を利用しようとしている職員の皆さんがそれをちゅうちょしたり諦めたりしないよう、ちゃんと後押ししていくような制度運用を確立すべきと考えております。
そして、今回の同行休業法も含め、両立支援制度を男女共に活用しやすい制度として取得率を上げていくためには、先ほどのように、制度を使いたいけれども使えないとか使わせないという実態がどのようになっているのか、丸ごとつかんでいく必要もあると考えます。
人事院の報告では、本年秋に職員の意識調査を行い、男性職員の育児休業取得が進まない要因等を把握し、それを踏まえて各府省に対して必要な対応を行っていくこととするとありますが、育休だけでなく、こうした両立支援制度を活用する上で障壁となっている課題にどのようなものがあるか一つ一つ洗い出すような踏み込んだ調査をするべきと考えますが、人事院、いかがでしょうか。
政府参考人 井上利君
育児休業等の両立支援制度について、人事院では、毎年度、各府省における利用状況を把握するための調査、仕事と家庭の両立支援関係制度の利用状況調査を実施しており、本年度実施した調査、平成二十四年度分においては、育児休業の取得等及び介護休暇の使用等の状況について調査したところであります。さらに、育児休業については、平成二十四年度における男性職員の新規取得率が三・七%と依然として低い状況にあることから、本年、男性職員に対し育児休業取得に関するアンケート調査を実施し、男性職員の育児休業の取得が進まない要因等を把握することとしているところであります。また、本年は、介護休暇についても、家族が介護を要する状態にある職員が介護休暇を使用しない場合の理由等についてアンケート調査を実施することとしているところであります。
今後も、両立支援制度について、利用状況調査などを通じ制度の運用状況を把握し、制度の適切な運用を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
吉良よし子君
アンケート調査も始められておるということで、育児にとどまらず、介護もやられている。これは是非とも進めていただきたいですし、意識調査というだけにとどまらず、意識調査、意識改革にとどまらず、実際問題その制度を活用する上で障壁となっている意識以外の事柄、人員の問題でありますとか様々あると思いますから、そうした問題をしっかりつかむための新たな視点での調査を強く求めておきます。
そして、もう一つ伺いたいのが休業制度を支える代替者確保の問題です。
育児休業法では、休業を取得する職員の代替者を置くことができるとしており、今回の同行休業法でも同様の条文がありますが、人事院、具体的にはどのようにして代替者の確保を進めますか。
政府参考人 井上利君
職員が配偶者同行休業を請求した場合、任命権者は、休業を請求した職員の業務を処理するための後補充として、配置換え等の方法によって対応することが困難であると認めるときは、配偶者同行休業の請求に係る期間を任用の限度として行う任期を定めた採用又は臨時的任用のいずれかを行うことができることとしております。
吉良よし子君
おっしゃるように、任期付採用、そして臨時的任用ですぐに代替者が見付かればいいですけれども、専門的な職種の場合はそう簡単にはいかないのではないでしょうか。
今回、私は、裁判所の職員、特に家裁調査官の状況についてお話を伺いました。
一例ではありますけれども、家裁調査官の場合、離婚裁判における夫婦の実情把握、また、事件を起こした少年の家庭調査や立ち直りに向けた方策の検討などを行う高度な専門性が求められる職種です。この家裁調査官が育児休業を取得する場合の代替者は、同じ職種のOBが中心となっていると伺いました。しかし実際には、関係者から話を聞くための調査等で全国への出張もあり、肉体的にも心理的にもハードな仕事であるため、代替者として採用されたOBですら仕事を続けられずに途中で辞めてしまったり、若しくは採用のときに全国出張はできない条件付の採用であったりと、代替者の確保が大変難しい状況です。結局、代替者が見付からないまま同僚の職員のところにしわ寄せが行ってしまったケースもあります。ちなみに、二〇〇九年以降の裁判所職員の採用数調べたところ、家裁調査官の採用時の総数は、二〇〇九年度から二〇一二年度までで増減ゼロ、今年度に至っては前年比でマイナス六となっています。
この例は一例ではありますけれども、どの公務の現場でも育休の代替者確保に苦労しているというお話は伺っています。本当に制度を活用しやすい職場環境を整え、代替者をきちんと確保するためには、定員の増員は避けられないと考えます。
大臣、両立支援の拡充には思い切った定員増員の検討が必要なのではないでしょうか。
国務大臣 新藤義孝君
これは、人事制度それから定員管理相まって総合的な判断が必要だというふうに思います。
ワーク・ライフ・バランスを充実させていく、このために様々な制度をもっと活用できるようにしたいと思いますし、ここに男性向けの育児休業パンフレット等もございます。一番はやはり事例紹介ですね。ほかの人もこんなふうな思いで取っている、また、こういう状況があるというようなこと、そういったものを更にたくさんの皆さんに知っていただくような努力をしながら、今御指摘のようなことも含めて、全体的な検討そして改善をしていきたいと、このように思います。
吉良よし子君
事例ということでは、総務省の出している女性公務員の活躍事例集も読ませていただきましたが、大変皆さん努力されているということはとてもよく分かるんですけれども、事例に登場するまでもなく、男性も女性も本当に協力しながら家庭と仕事を両立させるために工夫されている家庭というのはたくさんあると思いますし、そうしたそれぞれの、一人一人の人生を応援するということを是非とも進めていただきたい。そのためにも、やはり増員というのは欠かせないと思うんです。
先ほど例に挙げました裁判所の職員については、採用される女性が全体の五割を超えていて、二十代、三十代の家裁調査官に至っては、六百九十七人中四百八十二人、七割が女性なんです。こうしたこれから結婚、出産を控えた職員がいざというときに休業制度を活用できるようにするためには、人員確保も含めた環境整備を国として是非とも進めていただきたいと思っております。
そして、今回の同行休業法、両立支援の一歩前進だとは思いますが、海外転勤だけではなくて国内転勤に伴う単身赴任に関する支援も必要という声も伺っておりますし、それ以外にも、主任以上に上がるには転勤が暗黙の前提になっているというような女性公務員のキャリアアップへの大きな妨げとなっている様々な事例があるという話も伺っておりますので、本法案を含めた両立支援制度、男女問わずしっかり活用できる環境をつくることと併せて、女性登用の障壁となっている様々な課題、一つ一つしっかりと調査をしていただくこと。それらを解決するための両立支援制度、強く求めまして、私からの質問終わらせていただきます。
ありがとうございました。